Category: 欧米・社会保障・政治

現代資本主義が生み出す

貧困・生活不安などの生活問題に対して、国民生活を保障することを通して、国内・国外の社会主義に対抗しつつ現代資本主義国家を維持し、延命を図ることを目的とした生活保障政策。

社会保障という用語は、1933年アメリカ合衆国で経済保障あるいは所得保障にかわるものとして造語されたもので、それが35年社会保障法として初めて公用語として使用された。

しかしその内容は、ヨーロッパ諸国の制度に追いつこうとしたものにすぎない。社会保障は、W・チャーチルの有名なことばを借りれば、「揺り籠(かご)から墓場まで」の国民生活を保障するものである。

国民の生活は、失業、労働災害、傷病、老齢などの生活上の事故で所得が中断または永久に失われたり、支出が増大したりして、脅かされたり破壊されたりする。

欧米の社会保障の歴史は

社会保障が成立するためには、貧困を資本主義社会の社会的・必然的な産物としてとらえ、国家の責任で貧困対策を行うことが前提となる。

社会保障前史である資本主義社会の成立期(15世紀末~1760年代)と確立期(1760年代~1870年代)にあっては、貧困は、個人の努力の不足、怠惰の招いたもので、「自然の刑罰」であると考えられ、貧困は個人の責任であるとされていた。

これでは貧困対策は、国家的対策として実施される可能性はなかった。

1531年以降イギリスで行われてきた救貧法は、「自然の刑罰」の執行人といったもので、労働能力非所有者であわせて家事能力非所有者である子供、老人、障害者、病弱者のみを対象とした社会保障前史に属するものである。

西欧の先進資本主義諸国は、1873年の経済恐慌をきっかけとして20年余にもわたる慢性不況にみまわれた。

慢性不況は、大量かつ長期の失業者を生み出した。
さいわいに失業の憂き目にあわず雇用されていた労働者も、失業者の存在が重圧となって低賃金や劣悪な労働条件を押し付けられた。